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親不知

今更ではあるが、親不知を抜いた。
今朝方からずきずきとした痛みを覚えて、夕方頃には少し治まってはいたものの、虫歯の不安を拭いきれなかったからだ。
というのも以前、親不知を虫に喰われて歯医者に行った時のこと、
「今度虫歯になったら抜くしかないですね。上だけ抜くと咬合が悪くなるので、両方抜いた方が良いですよ。まあ、下の歯は前に向いて生えてて簡単に抜けませんから、外科手術をすることになるでしょうけれどね」
その外科手術とやらの詳細を聞くにつれ、絶対に歯磨きは怠るまいと心に誓ったものである。
まあ、それでも親不知が掃除しにくいことは誰しも知っていることで、結局のところ、虫歯もありますね、とのことだった。
もっとも、痛み自体は虫歯に因るものではなくて、定期的に現れる親不知がもたらす痛みだったのだけれど、やはりこのまま放置しておくと周辺の歯にも影響を及ぼす可能性もあるわけで、
「まあ今回の虫歯は薬で治りますけど、いずれまた虫歯になりますよ」
という脅しに屈して、ついに抜歯の決意を固めたのである。

最近は便利になったもので、その時にCCDカメラで自分の歯を見せてもらったのだが。
案の定というか、親不知はしっかりと黒ずんでいた。
で、立派な治療痕が居並ぶ様に圧倒されつつも感じたこと。
日本人の歯は、やはり白ではなく象牙色なのだな、ということ。
ずっと以前、人類学で形質人類学に話が及んだ時だったか、あるいは本か何かで記事を目にしたのかもしれないけれど、コーカソイドとネグロイドの歯は白のなだが、モンゴロイドの歯は象牙色なのだそうだ。
人種間で歯の色が変わるというのは何とも解釈に苦しむ事実ではあるが、なぜモンゴロイドだけ象牙色なのか、というのも解せない話である。

それはともかく、前哨戦である麻酔だけでかなりの体力と気力を消耗しつつ、感覚がなくなってきた感覚(というのも変だが)に戦々恐々として執行の時を待つのである。
とまあ、こういう書き方をしておいて何だが、実際の抜歯自体はまったく感覚のない状態で行われたので、どうということはなかったのだが、問題なのは親不知を器具でぐいぐいと押す時に、唇の端が引っ張られるというか押し潰されて、こっちの方が遙かに苦痛だった。

ともあれ、その二時間後にようやくこうしてこの記事を書いているのだが、現時点では麻酔が切れかかって、じくじくとした痛みが左上の歯列を苛んでいる。
そして口腔に薄く広がる血の味。
何とも嫌なものだが、これから傷口を刺激しないように食事を摂る。
明日には何とか治ってもらいたいものだ……。
by clhaclha | 2006-04-18 22:13 | 日記・雑感
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