『2006国際ミネラルアート&ジェム展』第一日 その2

さて、昨日書ききれなかった部分を少々。

昨年も見たのだが、鉱物を粉にして顔料として使っている出展について。
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写真はラピスラズリの顔料を使って塗った(染めとは違うらしい)バッグである。
ラピスラズリは単結晶の鉱物ではなく、何種類かの鉱物が集まってできた岩石であるため、組成の比率により発色が異なる。
そのため、同じ色のバッグは二つと作れないという。

このブースでは岩石や鉱物を磨り潰して絵の具にする、『石の絵の具』のキットを販売していた。
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有色の鉱物を磨り潰すのが最もきれいに色が出るらしいのだが、その辺りに落ちている石でも同じようにできるとのこと。
もっとも、河原の石を磨り潰しても、顔料として発色するものは半分もないらしい。

顔料の作り方は、タイルなど固くて平らなものの上に研磨剤を広げ、その上で鉱物を擦って磨り潰す。
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左からグラファイト、ジャスパー、孔雀石、ラズライト。
磨り潰すと、まさに絵の具のようになる。
体験で絵を描いている人もいたが、見ていると水彩絵の具のようであった。

ちなみにこのキットを開発したのは某美大の教授らしいのだが、なんでも石を見ると磨り潰してみたくなる人らしい。
鉱物マニアにとってはまさに天敵だ。
絶対に家に呼びたくない人の筆頭に挙がる人物である。


さて、話変わって昨日のクレームの件。
昨日の記事をアップ後、すぐに主催者にメールを入れたのだが、早速返信があった。
直接電話で話をして、明日、件の標本を持って会場に行くということに。
具体的にどうするかはまだ決まっていないのだが、一応真偽を鑑定してもらって、主催者から問題の業者に話をしてもらうことになるらしい。
事がどう転ぶかは分からないが、主催者がどういう対応をするのか、しっかり見届けたいと思う。
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# by clhaclha | 2006-10-01 01:11 |

『2006国際ミネラルアート&ジェム展』第一日

さて、待ちに待った初日である。

昼前に起き出して、部屋の掃除を少々してから出掛ける。
会場に着いたのが午後一時半頃。
金曜ということもあり、会場入り口の受付周辺には人もまばら。
休日ならば、受付周辺にも会場から出てきた参加者の姿が多く見られるのだが、今日は入場券を買う人と、トイレに行く人くらいしか見当たらない。
空いているのは良いことだと、ともかくチケット売り場でチケットを買う。
2ちゃんねるでは全日程共通チケットといっていたので、四日間の全日程制覇の予定である。
が、しかし。
なぜかチケットには『29』の文字が赤マジックで大書してあるではないか。
不安に思い訊ねてみると、
「本日のみの入場券になります」
予定を急遽変更。
今回は今日と日曜の二日だけの参加としよう。
いきなり出鼻をくじかれた気分で、幸先が悪い。
とはいっても一日600円(割引のはがきがあったので今日は500円)ならば、まあいいか、と気を取り直して、いざ入場。

入り口付近は六月のショーとあまり変わらない風景なのだが、やはり人が少ない。
通路も概ね、人が通れる隙間が空いている。
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明日、明後日には、おそらくこの三倍近くは人がいるはず。
それを考えると、随分と快適な状況である。

さて、ひとまず会場を回ることに。
今回の狙いは、
①美味しそうなブドウ石
②大型の十字石
③真紅の鶏冠石
④アクアマリン
この四つ。
一通り見て回ったところ、②と③は影も形もない。
④のアクアマリンは数はそれなりに揃っているのだが、質と価格で納得のいく標本は、残念ながら見つからず。
さて、①である。
ブドウ石を扱っているところがいくつかあって、そのうち一軒がそこそこのものを並べている。
外国人のブースだが、会場案内図によるとスリランカ人らしい。
いくつか手にとって眺めていたのだが、ふと、見たことのない鉱物が脇にあるのが目に入る。
店主に訊いてみると、グリーンクォーツとのこと。
直感的に人工物かと思ったのだが、店主曰く、
「無着色、無処理、天然物で、産地で採れたものそのまま」
値段を訊くと15000円だが、安くするとのこと。
しばらく考えた後、13500円で購入することに。
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更に会場内をうろつく。
しばらく歩いて目に留まったのが、インドの魚眼石屋。
八月の有楽町で買った魚眼石のような標本が、ちらほらと見られる。
値段を見ると概ね10000円を超えているので、7500円で買った我が家の標本は、わりと良い値で購入できたものらしい。
それはともかく、目を引かれたのはそういった高級な標本ではなく、ブースの前に箱積みにされた単価500円の標本である。
魚眼石や、それに付随して産出する束沸石などが、無造作に放り込まれている。
そういう光景はよく目にするのだが、ここの標本は状態が随分とよい。
叩き売りされている石というのは、当然ではあるが傷物であったり、形や見た目が悪かったりといったものがほとんどなのだが、目の前に並んでいるのは傷もほとんど無くて、モノ自体も決して悪くはなさそうである。
これが初日の品揃えなのか、と感動しつつ物色。
ピンクの束沸石と、カクタスクォーツのような魚眼石を一点ずつ購入。
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通常ならば、単価2000円くらいか。
なかなかの掘り出し物である。

さて、次に見付けたのが、これまた叩き売りの現場。
今度はどこのブースの管理者か分からないが、休憩場所の丸いベンチに標本が放り込まれた箱を並べて、一個1000円で売り出し中である。
セプタークォーツやアメジストなど、水晶系が目に付くが、黒くて円盤状の得体の知れない標本も転がっている。
モノも微妙なのが多いのだが、中には購入欲をそそられるものも幾つか。
結局選んだのは、細かな赤水晶の群晶が密生した標本。
随分と大きな標本で、幅が20㎝くらいもある。
普通に買うとすれば4000~5000円くらいか。
これまた良い買い物である。
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随分汚れて埃を被っているのが玉に瑕。
今晩、風呂で磨くことに。
裏面の母岩は少々風化の進んだ流紋岩質凝灰岩らしいのだが、強く擦らなければ摩耗はしないと思われる。
まあ、擦るのは表面の水晶だけなので、おそらく問題はないはずである。
風呂場で分解しないことを祈ろう……。

さて、本日の買い物は以上。
上記の他に、気になった出展を写真に撮ってきたのだが、こちらは明日にでも書くことにして、別の気になったことを少々。

最初に購入した緑水晶だが、標本を眺めていて気になったことがある。
写真の下側の面になるのだが、なにやら円柱状のものが付着していた形跡を発見する。
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何か別の鉱物か、あるいは母岩との接合部分かとも思ったのだが、よくよく見ると接合面が「ほぼ歪みのない円」であることに気付く。
つまり、「円柱状の何か」に付着して成長した結晶だということになる。
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自然界に円柱状の鉱物が無いとは言わないが、面があまりにも「真円」に近いため、とても「自然界で産出した」ものとは思えない。
もっと言えば、「人工物に付着して」成長したようにしか思えないのである。
さて、これを買う時には、先にも述べた通り、「天然水晶であること」「着色していないこと」「その他、処理をしていないこと」をはっきりと確認している。
また主人自ら、「産地で採れたものそのまま」であることを明言している。
まあ、これだけの証拠では「絶対に人工物である」とは断言できないものの、限りなく100%に近い可能性で「人工物である」と言えそうだ。
帰宅後、ネットで調べてみると、昨年辺りから天然物と偽った処理品が多く出回っていること、また、天然物も存在するがかなり希少であることが書かれている。
どうやらいかがわしいものを掴まされたようである。
業者がこのことを把握していたのかどうか、現段階では何とも言えないが、少なくともこちらは「天然未処理品」であることを確認して購入しているのであるから、人工物であった場合はクレームの対象となるはずである。

とりあえず、主催者側に申し入れを行って、調査をしてもらうことにしたい。
まずはメールでも書くか。
……あ~、ババ引いた。
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# by clhaclha | 2006-09-30 02:26 |

『2006国際ミネラルアート&ジェム展』前日

遂に明日に迫った『2006国際ミネラルアート&ジェム展』。
開場前から並んで記念品を手にしようという人も多いようだが、個人的には特に欲しいとは思えないものなので、昼頃からまったりと参加予定。
カメラは充電しているので問題なし。
入場料割引のはがきもナップサックに入れて、さて、あとは明日を待つのみ。
レポートは日が変わる頃に上げる予定。
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# by clhaclha | 2006-09-28 23:22 |

秋分

ご存じの通り、秋分とは昼と夜の長さが同じになる日、もう少し科学的に言えば、太陽が真東から昇り、真西に沈む日である。
春分、夏至、秋分、冬至の四つは季節の節目ということもあり、二十四節気の中でも特に知られている。
中でも春分と秋分は祭日なのだから、当然といえば当然か。

秋分だからというわけでもないのだろうけれど、今日の夜はぐっと冷え込んでいる。
半袖で外をうろついていると、思わず身震いしてしまうくらいだ。
昼間は何やら不穏な天気だったのだが、夜になって雲がすっきりいなくなったらしい。
放射冷却のせいか、昼間の暑さとはうってかわって、この冷気である。
ふと上を見上げると、東の空にオリオン座が輝いている。
冬も間近だ。
そろそろ長袖の服を引っ張り出す頃か。
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# by clhaclha | 2006-09-23 23:40 | 日記・雑感

『2006国際ミネラルアート&ジェム展』まで一週間

「ようやく」というべきか、「早くも」というべきか、ともかくも2006年度の国際ミネラルアート&ジェム展まで、残すところあと一週間となった。
そんなわけで恒例の、狙っている石のまとめ。

①美味しそうなブドウ石
②大型の十字石
③真紅の鶏冠石
④アクアマリン

①、②、④についてはもう何回も言っているので、説明の必要はあるまい。
今回新登場なのが③の鶏冠石。
化学式はAsS、つまり硫化砒素。
名前の通り真っ赤な石で、ルビーやロードクロサイトのような透明性のある結晶の鉱物である。
何故いきなり鶏冠石なのかというと、以前2ちゃんねるで「購入する石は青や緑系統の寒色系の石が多い」というようなことが書かれていて、ふと気になって自分のコレクションを見てみるとまさしくその通りだったということから、少しは赤っぽいものも揃えようかと思ったからである。
まあそれならば、上述のルビーやロードクロサイト、あるいは有名どころでザクロ石などでも良いのだが、産状を考えた場合に鶏冠石が最も自分の趣味に合っているという結論と相成ったわけである。

そんなわけで、今回の狙いは上記の四つ。
最優先はやはりブドウ石で、六月の新宿ショーで見掛けた業者がいれば、おそらく売られているはず。
まあとにかく、有休も取って(資金以外)準備万端、来週が楽しみである。
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# by clhaclha | 2006-09-22 23:27 |

『月光とアムネジア』読了

牧野修著、ハヤカワ文庫刊。

レーテと呼ばれる三時間毎に記憶がリセットされる空間の中で、暗殺者の捕縛という任務を帯びた主人公漆他山が、数人の仲間達と共に標的の暗殺者を追っていく。
レーテの中には隣国の軍隊やその空間内でのみ見られる凶悪な怪物などがいて、また仲間もそれぞれに個人的な事情を持っていて、そういった物事が複雑に絡みあうなか、徐々に暗殺者に近付いていく、といった内容。

著者の牧野修の作品で過去に読んだことがあるのは「王の眠る丘」と「屍の王」の二作品のみだが、いずれも良書。
今作も期待通り、久々に熱中して読み進めた作品である。

アガダ中原県やケモン帆県立軍(県≒国)、愚空間(レーテ)、また愚空間内で記憶をリセットされることによって生じる認知障害のレーテ性認知障害症候群など、非常に独特且つ詳細な世界設定で、読み始めから読者を引き込む力はある。
特にレーテ内で三時間毎に直前の三時間分の記憶を失ってしまうという設定はなかなかに斬新で、暗殺者捜索というストーリーと相俟って、作品にミステリー調のアクセントをつけている。
個人的にはこの設定ならば、もっとミステリー色を強くしても面白そうだとは思ったのだが、作者が目指しているのはもっとドロドロとしたダークなもので、これはこれで設定を生かした仕上がりだ。
ただ、話のまとめ方としてエンディングはちょっと安易だったのではないかな、と思わないでもない(未読の方もいるので、詳細については触れない)。
これだけ個性的な世界設定の作品で、結論があまりにも一般的であるような気がする。
奇妙にずれた世界なのだから、奇妙な結末でも良いんじゃないか、と。
この点が少々惜しいが、総体としては良い出来である。
ちなみにタイトルにある「アムネジア(amnesia)」は健忘とか記憶喪失の意味。
何だか変わったタイトルだが、読み進めていくうちに意味が分かってくる。
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# by clhaclha | 2006-09-17 02:38 | 読書感想・書評

天気占い(断じて予報ではない、あれだけ外しているのだから)によると、今年の残暑は随分と厳しいらしい。
そういっている側から、九月に入ってからの東京は過ごしやすい気候が続いている。
まあ、数日の天気では、なかなかそうとも断じられないものではあるのだが。

秋の陽は釣瓶落としである。
つい昨月の盆が開けた頃には、終業してJRの駅に着いた頃にはまだ陽が残っていたのだが、今ではすっかり空は薄暗闇に覆われている。
東京の空には星が見えない。
故郷の岡山では、そろそろ秋の星座が見え始めるのだが、こちらでは星空で季節を感じることはできそうにない。
駅までの道には空き地もなく、今頃は穂を広げ始めているすすきも目にすることもない。
ないない尽くしではあるが、夜は随分、眠れるようになってきた。
こんな些細なことではあるけれども、それでも季節感は感じられるものだ。
この分だと、今月末には掛け布団を引っ張り出すことになるかもしれない。
これからの三ヶ月は、日に日に季節の移ろいを感じられる時期となる。
だんだんと、虫や木や草が活気を失っていく。
そんな季節がやってくる。

まあそれでも、部屋の蚊がいなくなるのだから良しとしようか。
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# by clhaclha | 2006-09-08 23:18 | 日記・雑感

分水嶺公園

九月一日、まだ使い切っていない夏休みを利用して、岐阜県郡上市蛭ヶ野高原にある分水嶺公園に行ってきた。
『石の囁き大地の息吹き』にある分水嶺に写真がないので、ひとつ撮ってこようか、というのがきっかけである。
実をいうと今年のゴールデンウィークに行こうと思っていたのだが、あまりの渋滞ぶりに断念。
秋に休暇を取って行こうと、今回の旅行となった。

さて、今回は五月の二の轍を踏まないように、午前五時半頃に家を出る。
ごく普通の平日ということもあり、道行きは順調。
八王子ICまで一時間かからずに到着。
中央道に乗ってしまえば、あとは信号もなくすこぶる快適である。
空は曇天ですがすがしいと言えるような朝ではないものの、気温は涼しくむしろ晴れているよりも快適かもしれない。
まあ、前日の天気予報では東京から岐阜まではすべて晴れのマークが付いていたので、着く頃には上々の天気になっていることだろう。
グリングリンなどと鼻歌を歌いながら、車を飛ばす。
が、しかし。
南アルプス辺りに来るといきなり大雨。
所詮は天気占いか、下駄を投げて天気を決めているに違いあるまい……。

降雨のせいで予定より幾分か遅れたものの、郡上市に入ったのが十一時過ぎ、およそ六時間での到着である。
間違えて一つ手前の郡上八幡ICで、一般道を20㎞ほど北上することに。
郡上市は2004年に七町村が合併して誕生した市で、やたらめったらに広い。
南北におよそ40㎞くらいあるので、それでもまだ市の半分しか移動していないことになる。
そんなこんなで、標高876mの分水嶺公園に着いたのは、正午をちょっと回った頃だった。
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ネットであらかじめ調べたところによると、道路脇にあって分かりやすいとのことだったが、実に分かりやすい。
小さいながらも駐車場が整備されていて、手入れもそこそこされているようだ。
分水点は入り口を入ったすぐ奥にある。
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右の水路が日本海側の庄川に流れ込み、左の水路が太平洋側の長良川に流れ込む。
公園内はきわめて平坦なのだが、水路には微妙な傾斜が付いているのだろう。
水は緩やかに左右に分かれていく。

さて、写真だけを撮って帰るのでは面白くないので、水路を辿って源泉を見ようという試みをする。
すぐ裏手に泉でも湧いているのかと思いきや、かなり長く続いている様子。
周辺は別荘地なのだが、そのすぐ裏手を抜けていく。
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途中からコンクリート化されていたり。
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およそ1㎞ほど辿ったところで、水路が崖の裏手の方へと進んでいって追えなくなった。
近くを林道が走っていたので車で進んでみるも、結局見失ってしまう。
いくつも枯れ沢を横切ったので、ひょっとするとそのうちの一つに続いているのかもしれない。
しばらく進むと水の流れている沢にぶつかる。
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脇に立っていた石碑には「長良川源流」の文字が彫られている。
どうやらこちらが長良川の本流らしい。
道はずっと上に続いていて、どうやら源流に続いているらしいのだが、未舗装の悪路の上に、降ったばかりの雨のせいで巨大な水溜まりが点在している。
車で突っこもうかとも思ったが、ぬかるみにタイヤを取られて動けなくなろうものなら、悲惨の一言に尽きる。
更にガソリンも心許ないので、逡巡した挙げ句、引き返すことにした。

源泉を目にすることはできなかったものの、当初の目的である写真撮影は達したわけで、少々不完全燃焼ではあるが、とりあえず満足して帰途へと着いた。
ちなみに東京へ帰り着いたのが午後十時。
なんとか日帰り旅行にはなったわけだ。
それにしても岐阜は遠かった。
久しぶりにぐっすり熟睡できた。
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# by clhaclha | 2006-09-02 23:47 | 日記・雑感

続・冥王星

先日来、冥王星関係のニュースが紙面を賑わせている。
科学関係でここまで話題が大きくなっているのは、小柴教授と田中氏のノーベル賞受賞以来ではないだろうか。
今日のニューストピックスには、博物館などに冥王星関係の問い合わせが殺到しているという記事があった。
冥王星はどうなるのかとか、中には冥王星が消えてなくなってしまったと勘違いしている子供もいるらしい。
東京都江東区の日本科学未来館には、実に昨年の二倍の入館者が訪れたとのこと。
夏休みという時期も相俟って、子供達の好奇心を大いにくすぐっているようだ。

理系離れが深刻化しているとはいうものの、原因は周囲の大人にあって子供は本来的に科学に対する興味を持ち合わせているのである。
それを伸ばすか潰すか(今の日本はほとんど潰しているようだが)は、周囲の大人の心掛け次第ということだろう。
まあここで教育論を語るつもりはないので、このくらいでやめておくが、今回の冥王星騒動で少しでも自然に興味を向けてくれる子供が増えてくれることは期待したい。
それを期待させるという意味で、今回の件は意義があったのだと思う。
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# by clhaclha | 2006-08-28 22:27 | 自然科学

冥王星

惑星が三つ増えて合計十二個、とか言っていたのが一転、冥王星の惑星の座転落によって、太陽系の惑星は水金地火木土天海の計八個になった。
チェコのプラハで開催された国際天文学連合(IAU)での決議である。

さて、今回のこのニュースで一番驚いたのは、今まで惑星の定義が成されてなかった点である。
考えてみれば、惑星の定義など学校で習った覚えはない。
水金地火木土天海冥の九つが惑星で、その他に小惑星や彗星があって、これらと太陽を併せて太陽系と呼ぶ、というような教えられ方だったように思う。
そもそも天文学者は、惑星というものがこの先も古典的な八つの惑星のように分かりやすい形で発見されると思っていたのだろうか。
冥王星クラスの小天体が多数見つかり始めたのは科学技術の進歩の結果であるが、今回の冥王星に関する惑星定義の議論は、天文学の進歩の結果ではなく、必要に迫られてのことである。
仮に冥王星クラスの小天体がずっと外側のカイパーベルトに存在したとすれば、それが発見されるまでの何年あるいは何十年か、天文学会が自発的に惑星の定義について議論することはなかっただろうと思う。
科学技術が進歩して様々な観測が行えるようになり、SETIだとか、系外惑星探査だとか、そういう目新しい領域の研究は大いに結構なことなのだが、「惑星の定義」のように基本的な部分が「なんとなく」では、天文学そのものにどれほどの説得力があるのか、再考せずにはいられまい。

まあそれはともかく、今回の決定に関して個人的には評価をしたい。
何十年も惑星として扱われてきた冥王星だが、やはり明確な定義付けをして、それに当てはまらないのであれば、科学の立場からそれは認めてはならない。
私自身も感情的には冥王星は惑星であり続けてほしいという気持ちはある。
それでも今回のIAUの決定は、そういった意見が少なからずあるということを知った上での英断であると評したい。

何十年後になるかは分からないが、そのうち水星クラスの天体がカイパーベルト内に発見されるのではないかと思う。
もしそうなった時、その時のIAUはどのような判断をするのだろうか。
その時が来るのかどうかは分からないが、ちょっと楽しみにしている。
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# by clhaclha | 2006-08-25 23:44 | 自然科学