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続・冥王星

先日来、冥王星関係のニュースが紙面を賑わせている。
科学関係でここまで話題が大きくなっているのは、小柴教授と田中氏のノーベル賞受賞以来ではないだろうか。
今日のニューストピックスには、博物館などに冥王星関係の問い合わせが殺到しているという記事があった。
冥王星はどうなるのかとか、中には冥王星が消えてなくなってしまったと勘違いしている子供もいるらしい。
東京都江東区の日本科学未来館には、実に昨年の二倍の入館者が訪れたとのこと。
夏休みという時期も相俟って、子供達の好奇心を大いにくすぐっているようだ。

理系離れが深刻化しているとはいうものの、原因は周囲の大人にあって子供は本来的に科学に対する興味を持ち合わせているのである。
それを伸ばすか潰すか(今の日本はほとんど潰しているようだが)は、周囲の大人の心掛け次第ということだろう。
まあここで教育論を語るつもりはないので、このくらいでやめておくが、今回の冥王星騒動で少しでも自然に興味を向けてくれる子供が増えてくれることは期待したい。
それを期待させるという意味で、今回の件は意義があったのだと思う。
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by clhaclha | 2006-08-28 22:27 | 自然科学

冥王星

惑星が三つ増えて合計十二個、とか言っていたのが一転、冥王星の惑星の座転落によって、太陽系の惑星は水金地火木土天海の計八個になった。
チェコのプラハで開催された国際天文学連合(IAU)での決議である。

さて、今回のこのニュースで一番驚いたのは、今まで惑星の定義が成されてなかった点である。
考えてみれば、惑星の定義など学校で習った覚えはない。
水金地火木土天海冥の九つが惑星で、その他に小惑星や彗星があって、これらと太陽を併せて太陽系と呼ぶ、というような教えられ方だったように思う。
そもそも天文学者は、惑星というものがこの先も古典的な八つの惑星のように分かりやすい形で発見されると思っていたのだろうか。
冥王星クラスの小天体が多数見つかり始めたのは科学技術の進歩の結果であるが、今回の冥王星に関する惑星定義の議論は、天文学の進歩の結果ではなく、必要に迫られてのことである。
仮に冥王星クラスの小天体がずっと外側のカイパーベルトに存在したとすれば、それが発見されるまでの何年あるいは何十年か、天文学会が自発的に惑星の定義について議論することはなかっただろうと思う。
科学技術が進歩して様々な観測が行えるようになり、SETIだとか、系外惑星探査だとか、そういう目新しい領域の研究は大いに結構なことなのだが、「惑星の定義」のように基本的な部分が「なんとなく」では、天文学そのものにどれほどの説得力があるのか、再考せずにはいられまい。

まあそれはともかく、今回の決定に関して個人的には評価をしたい。
何十年も惑星として扱われてきた冥王星だが、やはり明確な定義付けをして、それに当てはまらないのであれば、科学の立場からそれは認めてはならない。
私自身も感情的には冥王星は惑星であり続けてほしいという気持ちはある。
それでも今回のIAUの決定は、そういった意見が少なからずあるということを知った上での英断であると評したい。

何十年後になるかは分からないが、そのうち水星クラスの天体がカイパーベルト内に発見されるのではないかと思う。
もしそうなった時、その時のIAUはどのような判断をするのだろうか。
その時が来るのかどうかは分からないが、ちょっと楽しみにしている。
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by clhaclha | 2006-08-25 23:44 | 自然科学

ヒグラシ

 梅雨が長かったせいか、今年平成十八年の夏は蝉の声を聞くのが随分と遅かった。
 今年最初に聞いたのは、確か梅雨もそろそろ明けようかという七月も下旬に差し掛かった頃だったと記憶している。小雨の降る中、裏の家の庭の木で蝉が鳴いているのを聞いて、ようやく夏を実感したものである。

 八月の早くも下旬となった今日、車を転がして山の方へ行ってきた。
 首都圏といえど市街地を抜けると、ヒートアイランドなどという下世話なものとは無縁の世界である。多摩丘陵などの高台は、都心部と比べて5℃くらいは気温が低そうだ。
 昼下がりというよりは夕方前といった方が良い時間ではあったが、窓を開けて走っていればクーラーのスイッチを入れるかどうか、迷ってしまうほどである。やがてまばらな木立の中に入ると、いっそ涼しいくらいになる。
 そんな折、耳に入ったのはヒグラシの声だ。
「カナカナカナ……」と、なにやら物悲しく聞こえるあの声には、なぜか昔から秋、それも中秋から晩秋に掛けての季節を強く感じてしまう。
 夕方に鳴くというのが理由の一つかもしれない。日が落ちた頃の朱に染まった空は、秋という季節にものすごく近しい印象を持っている。
 それとももっと直截的に、もの悲しさを感じることが、すなわち秋を連想させてしまうのだろうか。
 自分の心でありながら、正確なところはどうやら分かりそうにない。

 木立を過ぎると日差しが戻り、それと共にヒグラシの声も飛び過ぎるように置き去りにされていく。 日は短くなったといえど、まだまだ真夏の太陽が照りつける。
 疎林に入る前の、何とも微妙な暑さが戻ってきて、けれどもクーラーのスイッチを操作しようかという気には、もうならなかった。
 ずっと涼しい秋の気配が、随分身近に感じられた。
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by clhaclha | 2006-08-20 23:24 | エッセイ

模様替え

気分転換に、ブログの模様替えをしてみた。
特に意味はない。
まあ、強いて挙げるなら、行幅が広くなって一行当たりの文字数が増える体裁にしてみた。
前のは何となく奈落っぽい雰囲気が出ていたのだけれど、今度のは随分シンプルで、これはこれでなかなか良いかと。
ちょっと地味ではあるけれども。
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by clhaclha | 2006-08-18 23:22 | 日記・雑感

夏の風物詩

ここ最近、夜の八時過ぎくらいに花火の上がる音が響く。
住宅密集地の一階にある我が家からは残念ながら見えないが、ちょっと先の駐車場まで行けば、大輪の花が夜空に描かれる様をなんの邪魔もなく見渡せる。
首都圏とはいえ、外れの田舎だけあって高い建物がないのが良いところ。

夏の風物詩といえば、何年か前に共有企画のテーマエッセイで書いたテーマだ。
もはや何を書いたか覚えていないのだが、文章はまだアップされているので興味のある方はご一読を。

さて、話は変わるが、本日の首都圏は朝から停電である。
といっても、うちは山の上なのでまったく関わりのないことだったのだが、仕事で会社に行くと随分のんびりと騒いでいた。
なんでも川を遡上していたクレーン船が、川に掛かった高圧電線に引っ掛かったとかで、かなり広範囲に渡って停電を引き起こしたらしい。
もっとも、実質的な被害は信号機器と電車、あとはエレベータが停まったくらいで、人的な被害は今のところ発表されておらず、なんというか「ちょっとしたイベント」みたいな感じで、まったくもって深刻なものではなかったのが良かった。
停電といって思い出すのは、三年前の丁度今日に起こったアメリカ・カナダ大停電である。
何の因果か、同じ日に世界有数の大都市圏で大規模停電が発生するというのも面白い話だ。
原因はまったく関係なさそうだが。
この三年前の事件以来、夏=停電という一種偏見ともいえる漠然としたイメージを抱き続けていたのだが、どうやら今日の出来事ですっかり定着してしまいそうな様子。
それでタイトルの『夏の風物詩』である。
かくして夏のテーマに「停電」というあまり有り難くない単語が加わったわけだ。
まあ、停電などそうそう起こりはしないだろうから、来年はブレーカでも落としてプチ停電でも堪能しようか。
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by clhaclha | 2006-08-14 23:11 | 日記・雑感

世界の巨大恐竜博2006

幕張で開催中の『世界の巨大恐竜博2006』を見に行ってきた。
といっても、実際に行ったのは一週間以上前の七月二八日(金)で、百枚以上撮り貯めた写真の整理がようやく終わったので、ブログにアップできる次第となった。

さて、会期は七月十五日から九月十日までなので、まだまだ始まったばかり。
友人と一緒に行ったのだが、前半に行くべきか、後半に行くべきか、夏休みということも考慮に入れて検討した結果、開幕後一~二週間くらいがベストとの結論となった。
盆はさすがに混むだろうということで即却下、期末は駆け込みが増えるとの判断。
もっとも、この手の博覧会はたいていが期日延長となるので、それを見越して夏休み明けという手もあったのだが、確実性を欠くということでそれも却下。
そんな理由でこの時期の平日に行くこととあいなったわけである。

会場はいつもの幕張メッセで、昨年までの同様の博覧会と同じ形式。
去年だか一昨年だかは時期が悪くて二時間待ちという経験もしたのだが、今年は驚くほど空いていた。
待ち時間無し、会場内もかなり広々。
休みを取ってわざわざこの時期を選んだ甲斐があるというものだ。

今年の目玉は、ポスターなどで散々宣伝されているスーパーサウルス。
復元すると全長33mになるという巨大恐竜だ。
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ちなみに昨年の目玉だったセイスモサウルスも、同じく33m。
これより大型とされる恐竜はアルゼンティノサウルス(推定35m)のみ。
ということは、来年の主賓はアルゼンティノサウルスか、などと邪推してみたり。
まあ、ここまでくると体長が2mくらい違ったところで分かりはしないのだが。

今年の恐竜博のテーマは、どうして竜脚類は大型化したか。
当時の自然環境や生態系などと考え合わせて、竜脚類の進化を追ってゆく。
原始的な竜脚類であるアンテトニトルスから、スーパーサウルスが出現するまで、どのような種が生まれ消えていったのかを化石展示で紹介する。
下は竜脚類とは別系統と解釈される古竜脚類のルーフェンゴサウルス。
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二足歩行も可能だったと考えられており、竜脚類に進化しきれていない特徴を持っている。

その他、やたらと首の長いマメンキサウルスなど。
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全長のの半分以上を首が占めるという。

竜脚類が何体展示されていたのか数えてはいないが、二十は越えているように思う。
よくぞこれだけという感じだが、それぞれ説明を読んでいると、色々と独自の特徴を持っていてなかなかに面白い。
特に、大きなものはインパクトも凄いので、集客効果は期待できそうである。

さて、一般客は巨大恐竜に目を奪われがちだったが、個人的に興味を持ったのが羽毛恐竜と肉食恐竜の復元図。
羽毛恐竜に関しては、何年か前から実物の化石が展示されていて、中にはくっきりと羽毛の印象が残っているものもあって、いたく感動したものである。
今回展示されていたものではイシャノサウルス。
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写真では少々分かりづらいが、羽毛の痕跡が認められる。
また、復元図に関して、獣脚類の多くの種に羽毛が描かれていたのも印象に残った。
恐竜観もここ数年で随分と変遷しているようである。

最後に、気になった部分。
分類表示で、例えば『竜盤類 竜脚類 ディプロドクス科 スーパーサウルス』というような表示となっているのだが、生物の分類で『類』というカテゴリーはない。
おそらく『竜盤目 竜脚亜目』あたりだと思うのだが、正確なところは分からない。
一緒に行っていた友人に指摘されて気付いたのだが、こういったところは正確な表示を心掛けてもらいたいものである。


さて、総括としてだが、今年もなかなか楽しめた。
新しい学説が毎年出てくるので、同じような展示内容であっても、毎回新しい発見があるのが面白い。
冒頭に書いたように次回はアルゼンティノサウルスかと邪推しているのだが、そろそろ趣向を変えて首長竜やモササウルスなどの海棲生物にスポットを当てても面白いのではないかと思う。
海棲爬虫類も10m超のものが多くいるので、インパクトという点ではそれなりのものであるはずだ。
そろそろ別のものを見たいという欲求が膨らんできている。
次回の内容に期待したい。
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by clhaclha | 2006-08-06 15:34 | 自然科学

石探横町

昨日のブログにも書いた通り、東武の展示会で随分とがっかりさせられたので、元々行く予定のなかった有楽町国際フォーラムで開催中の、『石探横町』に行ってきた。
MFAのホームページによると、石探横町のコンセプトが「よりカジュアルなものを……」ということなので、正直なところあまり期待はせずに、せいぜい原石もいくつか置いてあって、それなりに楽しめれば――程度に考えていたのだが。
結論から言えば、小規模ながらもバカにできない品揃えで、春にやったMFA展をそのまま縮小したような感じの展示会。
個々のブースは狭いものの、良質な標本がちらほらと並んでいた。

さて、東武では狙い云々という以前の問題だったのだが、こちらではそれなりに狙えそうな予感。

①十字石……影も形も無し。
②水晶……おそらく最も多く展示されていたのだが、ぐっと来るものがなく見送り。
③葡萄石……いくつかあったが、美味しそうにないので却下。
④アクアマリン……そこそこ数があったのだが、これもぐっと来るものがなく見送り。

というわけで、一通り見て回って物色することに。
まず最初に目を惹かれたのが、円盤形の黄鉄鉱。
値段が貼られておらず、いくらか訊ねてみると4000円とのこと。
直径は10㎝弱程度で、形はほぼ円形、一部欠けたような部分あり。
ちょっと高いかな、と感じる。
ちなみに店主の話では、粘板岩中のウニ化石が置換されたものらしいのだが、粘板岩と片麻岩が共存しているとかいうようなことも言っており、なにやら内容が少々とんちんかんであった。
粘板岩は泥岩が弱い変成作用を受けて瓦状に剥がれやすくなった岩石であり、片麻岩は強度に変成作用を受けて完全に再結晶した岩石であり、見た目もできる場所も全然違う。
断層などによって接している場合もあるが、話を聞いている限りではそんな風ではなくて、どうやら両者のことをよく分かっていないらしい。
少々不安になる。
更にチャロ石に見える標本に、スギライトの札が掛かっていたり。
まあ、こちらは直接訊ねていないので、真偽の程ははっきりしないが。

次に目に付いたのは、インド・プーナ産のペンタゴナイトとカバンサイト。
これは現地に住んでいる日本人の夫婦が、近くの鉱山から拾ってきた石を並べているのだが、これが結構、面白いものが揃っている。
上に挙げたペンタゴナイトとカバンサイト、そして魚眼石。
一番目を惹かれたのは、シート状のカルサイト(?)か何かが晶洞様の空間を作って、そこに5~8㎜程度のカバンサイトがポツポツとくっついている標本。
一目見て欲しいと思ったのだが、価格が30000~50000円。
ちょっと手が出ない。
カバンサイトと魚眼石はそれなりに目を惹く標本で、価格が5000~20000円。
交渉次第でなんとか、といったところか。
しばらく話をして、とりあえず他を見て回ることに。

最後に目が止まったのは、春に蛍石を買った業者のブースで、握り拳大の藍銅鉱。
しかし価格を聞いて即断念。
しばらく話をしつつ、並べられているものを物色する。
カルサイトに覆われた輝安鉱、フラワーアメジストがちょっと欲しいかな、と思う。
輝安鉱はいくらか忘れたが、フラワーアメジストの方は8000円とのこと。
悪くはない価格。
ちょっと思案するも、いまいちインパクトに欠けると思い、控える。
余談だが、この業者と話をしていて知ったのだが、中国の輝安鉱の採れる鉱山が閉鎖になったとのこと。
全部が全部、閉鎖されたわけではないのだろうが、産出量が減るのは確実だろうから、今後価格が上昇する可能性がある。
輝安鉱は以前から欲しいもののリストに含まれているものだから、次回九月の新宿で優先して購入すべきか。
もっとも、即座に価格に反映されるとも思えないが、やはり同じものを買うのであれば、少しでも安く買いたいものである。

で、結局。
何を買ったかというと、インド・プーナ産の魚眼石である。
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サイズは縦方向で15㎝程度の大型標本。
母岩は束弗石で、中央にある緑色のものが魚眼石。
GreenApophyllite(グリーンアポフィライト)といって、無色透明なものよりも希少価値。
店の前でかなり悩んで、長時間話し込んだ末に「安くしますよ」と言われて購入を決める。
10000円の値札が付いていたものを、7500円にまけてもらった。
ちなみにこの業者、全部の展示会を含めて今回が初めての出展らしく、これから色々なショーに参加していきたいとのこと。
次回は年末の池袋に参加するとのことなので、上述のカバンサイトが安くなっているようであれば狙いたい。

さて、次は九月の新宿である。
こちらの方は大規模なので、休みを取ってじっくりと回りたい。
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by clhaclha | 2006-08-05 23:20 |

池袋鉱物化石市場 in 東武 感想

会期初日である昨日、仕事帰りに立ち寄ってきた。
盆も近いこの時期に、六日もの長期に渡って池袋でやるのだから、それなりに大きな規模の展示会なのだろうと期待して行ってみたのだが。
さっくりと裏切られる。
とりあえず、出展者が少なすぎ。
おまけに石の種類も少なすぎ。
更に言うと、入門者というか初心者・一般者向け。
しかも展示品の半分くらいは加工品。
まあ、隣のブースのラジコン戦車は何とかした方が良いかと。
うるさくてじっくり見られませんよ、あれは。

というわけで、めぼしいものも見つからず、一つも買わずに会場をあとにした。
資金は九月の新宿ミネラルアート&ジェム展まで取っておくことに。
次は二回分ということで、ちょっと奮発して、良いものでも買おうかと画策している。

あ、そういえば石探横町が今週、有楽町であったはずなので見に行くのも一興か。
とにかく、あまりにも期待はずれだったので、色々と動き回りたくてしょうがない。
明日、昼間に行ってみることにする。
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by clhaclha | 2006-08-04 23:48 |