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地学事典

先日、地学事典を購入した。
学問もリタイアして(趣味で続けてはいるけれども)、論文なんか一文字だって書いていないこの時期になってである。
いや、この時期だからか。
理由といえば、働きだして金銭的に余裕が出来てきたことと、研究室に転がっていた地学事典を使えなくなったことである――当たり前のことだが。
上記の二点を考えると、買うのは今が最も妥当なのではあるが、しかし二万三千円という価格には、その妥当性にいささか疑問を感じないでもない。
いやいや、書籍の購入には金を惜しまないというのがモットーなのだから、今更うだうだとは言うまい。

さて、ようやく買った地学事典でまず調べたのは、オーケン石の化学組成である。
ウェブで調べても、組成がサイトによってバラバラで、どれが正しいのかまったく分からなかったのだ。
まあ、組成はokeniteで調べれば一発で分かったのだが、そこにちょっと気になる一文が。
「……白、しばしば黄、青を帯びる。……」
詰まるところ、白が標準だが、黄色や青の結晶もあるよ、ということだ。
なるほど。
MFA展で見たのはただのオーケン石か……。
黄色いオーケン石。
……ちょっと欲しいかも。
次の新宿で探してみるか。
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by clhaclha | 2006-04-30 21:50 |

春雷

本日の東京の天気、曇りのち雷雨、ところにより雹、のち快晴。
随分とめまぐるしく天気が入れ替わった。
雷を聞いたのは、おそらく今年に入って初めてだ。
雨雲は黄砂の影響なのだろう、何だか黄ばんでいた――スモッグではないと信じたい。
いつの間にやら季節はすっかり春で、まあ花見の季節を通り越してそれを実感するのも日本人としてどうかとは思うのだが、それでもやはり、そういった季節の変動を体感できるイベントに遭遇しないと、実感として得られないというか何というか。

昨日、いつも通っている道端のツツジが、一斉に開花していて驚いた。
先週末にも多少は咲いていたのだろうが、土曜・日曜の二日間で一気に綻んだようだ。
桜は周囲の期待に見守られつつ、咲くべくして咲くといった風情で、その年初めて目にしても、咲いたか、とごく自然に受け止めてしまう。
しかしツツジの花は、まったく予期しないところで突然に現れるから、大きなインパクトを感じてしまった。
鮮やかな赤紫というか濃いピンクの花で、もしかするとそれが目を引いた最大の理由かもしれないが。

随分と日が長くなった。
これからは日一日と暖かくなり、日常のそこかしこで夏を感じることが増えてくるだろう。
今年もまた、好きな季節がやってきた。
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by clhaclha | 2006-04-25 23:07 | 日記・雑感

親不知

今更ではあるが、親不知を抜いた。
今朝方からずきずきとした痛みを覚えて、夕方頃には少し治まってはいたものの、虫歯の不安を拭いきれなかったからだ。
というのも以前、親不知を虫に喰われて歯医者に行った時のこと、
「今度虫歯になったら抜くしかないですね。上だけ抜くと咬合が悪くなるので、両方抜いた方が良いですよ。まあ、下の歯は前に向いて生えてて簡単に抜けませんから、外科手術をすることになるでしょうけれどね」
その外科手術とやらの詳細を聞くにつれ、絶対に歯磨きは怠るまいと心に誓ったものである。
まあ、それでも親不知が掃除しにくいことは誰しも知っていることで、結局のところ、虫歯もありますね、とのことだった。
もっとも、痛み自体は虫歯に因るものではなくて、定期的に現れる親不知がもたらす痛みだったのだけれど、やはりこのまま放置しておくと周辺の歯にも影響を及ぼす可能性もあるわけで、
「まあ今回の虫歯は薬で治りますけど、いずれまた虫歯になりますよ」
という脅しに屈して、ついに抜歯の決意を固めたのである。

最近は便利になったもので、その時にCCDカメラで自分の歯を見せてもらったのだが。
案の定というか、親不知はしっかりと黒ずんでいた。
で、立派な治療痕が居並ぶ様に圧倒されつつも感じたこと。
日本人の歯は、やはり白ではなく象牙色なのだな、ということ。
ずっと以前、人類学で形質人類学に話が及んだ時だったか、あるいは本か何かで記事を目にしたのかもしれないけれど、コーカソイドとネグロイドの歯は白のなだが、モンゴロイドの歯は象牙色なのだそうだ。
人種間で歯の色が変わるというのは何とも解釈に苦しむ事実ではあるが、なぜモンゴロイドだけ象牙色なのか、というのも解せない話である。

それはともかく、前哨戦である麻酔だけでかなりの体力と気力を消耗しつつ、感覚がなくなってきた感覚(というのも変だが)に戦々恐々として執行の時を待つのである。
とまあ、こういう書き方をしておいて何だが、実際の抜歯自体はまったく感覚のない状態で行われたので、どうということはなかったのだが、問題なのは親不知を器具でぐいぐいと押す時に、唇の端が引っ張られるというか押し潰されて、こっちの方が遙かに苦痛だった。

ともあれ、その二時間後にようやくこうしてこの記事を書いているのだが、現時点では麻酔が切れかかって、じくじくとした痛みが左上の歯列を苛んでいる。
そして口腔に薄く広がる血の味。
何とも嫌なものだが、これから傷口を刺激しないように食事を摂る。
明日には何とか治ってもらいたいものだ……。
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by clhaclha | 2006-04-18 22:13 | 日記・雑感

MFA展・書き忘れ

全体的に見渡して受けた印象。
アクアマリンが多い。
これからの流行なのか、それともたまたま、アクアマリンを扱っている業者の割合が高かったのか。
現時点では判断付かず。
ラリマーに人気が出ているところを見ると、水色系統の鉱物が流行っているのかもしれない。
とすれば、これから値上がりするのは、青水晶、天青石、青の蛍石、ペンタゴナイト、カバンサイト辺りだろうか。
何やらもともと高値の鉱物が並んでいるような気がしないでもない……。

どこのブースか忘れたのだが、黄色のオーケン石みたいな鉱物を売っているところがあった。
人が多くて、後から確認しようと思っていたのだが、ラピスラズリの値切り交渉でエキサイトしてしまって、そのことがすっかり頭から抜け落ちていた。
産状も大きさも母岩の状態も、色以外はまったくオーケン石そのもの。
黄色いオーケン石なんて聞いたことないので、多分別の鉱物だと思うのだが、詳しいことはまったく不明。
ここを見てる人でどなたか心当たりがあれば、是非詳細を教えてください。
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by clhaclha | 2006-04-17 23:29 |

MFA展

有楽町国際フォーラムで開催されているMFA展に行ってきた。
MFAとは、Mineral(鉱物)、Fossil(化石)、Accessory(アクセサリー)の頭文字だそうだが、早い話がミネラルショーのような鉱物・化石類の展示即売会である。
今回は第一回目ということで、出展者が随分と少なくて、会場は広々。
池袋で年末に開催されている東京ミネラルショーと比べて、通路の幅は二倍くらい、人口密度は三分の一以下といったところ。
少々寂しいという感はあったが、まあ初回ということで今後の展開に期待したい。

さて、行ってきたのは昨日の4/15(土)午後で、三日間の会期のちょうど中日。
知人と待ち合わせをしていたので、会場前で合流し、軽く食事を摂ってから入場。
その時点での入場者数は五十人以上はいたと思うのだが、会場が随分と余裕を持った配置になっていたので、賑わっているという印象は受けず。
むしろ閑散としているなぁ、といった感じ。
まあ、空いてて漁る側としては有り難い限りだが。
で、ただ見に行くというのも何なので、取り敢えず、今回のターゲットを数点絞る。

まず第一に、昨年の池袋で買い逃した十字石。
三連貫入のそこそこ大きな標本が欲しいのだが、出展者一覧を見たところ、池袋で大量に扱っていたロシアの業者が今回は出展していない様子。
これはあまり期待できない。

二番目、見栄えのする蛍石。
以前から欲しいと思っていて、しかし手を出せずにいた品。
産地や色、形の違いによって価格帯がものすごく幅広くなるので、初心者からマニアまでファンの多い石だ。

三番目、ラピスラズリ。
研磨品ではなく、原石が欲しい。
随分と高価なので、今まで買い控えていた品。

そういうわけで、一通り会場を回ってみる。
加工品が多いのかと思っていたが、どうやら半々くらいのようで、マニアックな店や個人出展者もちらほら。
レインボーガーネットのコレクターで、個人のコレクションを放出していた人がいて、店番の人に話しかけられたので、しばらく話し込む。
自分で採集に行ったものらしく、中には思い入れのある品もあるそうで、一番のお気に入りには法外な値段を付けているとのこと。
だったら最初から「非売品」とでもすればいいようなものだが……。
「この値段で買いたいという人が現れたら、どうするんですか?」
と訊いたところ、
「う~ん……、どうしよう……」
と、何やら本気で悩んでいる様子。
本日閉会時までに買い手が現れたかどうか、微妙に気になる。

三葉虫クラブという、三葉虫を専門に扱っている出展者もいて、こちらでも話し込む。
店主はもう随分と年を召した方なのだが、若い頃に大企業で働いて成した財を使って、モロッコまで出掛けていって採取しているのだそうだ。
趣味でやっているだけあって、ものは立派なのが多い。
単価が数万円からなので、ちょっと手は出せない。
結局冷やかしだけに。

他にもちょこちょこと話しかけられて、色々と見聞きをして、一時間半ほど掛けて会場を一周。
ターゲットはというと、
①十字石……専門業者なし。今回は見送り。
②蛍石……何カ所かで良質な標本を発見。
③ラピスラズリ……専門業者あり。
というわけで、十字石は却下。
蛍石の物色に、まずは励む。

会場の隅にあった、ちょっと高価な店で一通り観察。
値札の付いていないものが多いので、逐一訊ねる。
概ね一万円以上。
予算は二万までと決めているので、まあ買えないこともない。
が、新入荷品だとのことで、価格が随分と高い。
エルムウッド産のものなど、二~三割引で妥当な価格なのでは、と思ってしまった。
しばらく店員と話をして、そこは離れる。

次に覗いたのが、池袋にも出展していたマニアックな業者。
池袋では輝安鉱を安くするよと言ってくれたのだが、持ち合わせがなくて断念した記憶がある。
この業者は色々と種類が豊富で、見てて飽きないので結構お気に入り。
ここでも手にとってあれこれ眺めていると、
「それ、安くするよ。五千円でどう?」
たまたま手に持っていた母岩付き紫色の蛍石、六千円のものを千円引きで売ってくれるとのこと。
母岩が10㎝×10㎝×7㎝くらいで、1㎝~2㎝程度の薄い紫の蛍石が五、六個埋もれるように付いているもの。
ちょっと迷ったが、まあ妥当な値段と判断して購入。
他にもグミキャンディーのような見た目の蛍石にも惹かれたが、今回はこれ一個だけにしておく。

ちょっと休憩を挟んで、次に目指すはラピスラズリ。
大量に並べていた、アフガニスタンの業者のところへ。
やはり研磨品や加工品が多いのだが、原石もゴロゴロと並んでいる。
単価が100円/gのものと、60円/gの二種類があって、当然ながら単価の高いものの方が質が良い。
どうせ買うならと、100円/gの方を物色。
しかし、どれも大振りなものが多くて、小さいものでも一万は超してしまう。
散々あれやこれやと迷った末に立ち去ろうとすると、まだ他にも並べていない在庫があるから、そっちも見てくれと言われる。
それでは、ということで、ブースの中に入って段ボールの中に無造作に放り込まれている原石をしばらく掻き混ぜる。
100g程度で、色も濃くてそこそこ良質なものを二、三発掘。
業者が秤に乗せて逡巡することしばし。
電卓で7500円を提示する。
今度はこちらがしばし迷った末、
「う~ん……6000円」
「Oh! なんで一万円が6000円!」
「う~ん……7500円はちょっと……」
アフガン業者、更に迷うことしばし。
「わかった。じゃあ、6500円ね」
「OK」
値切り成功。
紙袋に原石を包む業者に、
「あなたluckyよ」
と言われる。

そういうわけで、今回の戦利品。
・母岩付き蛍石 5000円
・ラピスラズリ原石 6500円
以上。


※写真を載せようと思ったのだが、デジカメが行方不明につき、今回は写真はありません。悪しからず。
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by clhaclha | 2006-04-16 16:18 |

〈骨牌使い〉の鏡

五代ゆう氏の名作がようやく文庫に落ちていた。
随分長かったなと思い、調べてみると、単行本が出たのがおよそ五年前。
当然、それを待ちきれずにハードカバーを買っているのがここに一人。
まあ、それは良いとして、やはり随分長かったな、というのが最初の印象。
待ち遠しかったというよりは、むしろなぜ今、という感が拭いきれない。
何か、角川の戦略でもあるのだろうか。
もっとも、名作であるという点は否定しようがないので、文庫化自体には大賛成である。

そういえば、今を遡ること五年前。
たしかこれの書評を書くとか何とか言っていたような気がしないでもない。
というか、言っていたはずだ。
……ごめんなさい、もう書評を書けるほど内容を憶えていません。
だったら読み返せという声が聞こえてきそうだが、そんなことを口走ろうものなら確実に自分の首を絞めることが分かり切っているので、もはや何も言うまい。

それよりも、エッセイの練習をば……。
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by clhaclha | 2006-04-11 00:17 | 読書感想・書評

「ダ・ヴィンチ・コード」読了

ダン・ブラウン著 越前敏弥訳 角川文庫

日本語版が出てから、文庫になるのをずっと待ち続けていた作品。
世界の何カ国かで翻訳されていて、日本でも話題性は申し分無しという作品だったので、文庫に落ちるまでの一年半は随分と長く感じていた。
で、文庫版。
ご存じの通り、上中下の三部構成。
ハードカバーは上下の二部構成(原書の方はそれこそ知らない)だったけれども、内容を読んだ限りではどうやら分け方に意味はないらしい。
ちょっと厚めにすれば、二冊で十分収まる文量だと思った。
さて、未読の人がここを見ているといけないので、ストーリーの詳細は省略して感想を。

まず感じたのが、やはり欧米の作品だなということ。
キリスト教の知識が必須で、「……当然誰でも知っている……」と書かれている部分が、一般の日本人ならまず知らない事柄であること。
日本人の聖書の知識なんて、アダムとイブの話とか、ノアの箱船とか、ソドムとゴモラ、カインとアベル、モーセの出エジプト記、パンドラの箱とか。
せいぜいがこんなところで、ここに挙げたものですら、おそらく詳細は知らない。
かくいう自分も、話の筋をところどころ知っているくらい。

次に、英語で表記されていなければ成り立たないトリック。
似たようなトリックが、ドイルのホームズシリーズ「まだらの紐」でも使われていて、わざわざ不自然な表記になるので、どこに注目すればいいのかが一目瞭然。
英語で書かれた作品なのだから、仕方がないといえば仕方がないのだが。

まあ、それでも全体としてはなかなかに面白い作品で、上記の二点を除けば秀逸と言っていい出来。
解けてから「ああ、なるほど」と納得できるトリックが多く、またキーワードやヒントが複雑に絡み合っていて、しかもそれが効果的に使われている点は、非常に巧妙。
巧いと思わせる作りになっている。

そして、訳が上手かった。
これ、非常に重要だと思う。
海外の作品は、やはり普通は訳された物を読むのだけれど、この訳の出来によって、作品そのものの出来が大きく左右される。
まあ、当然のことだが。
で、この作品の訳は合格点。
というよりも、かなり上手いと思う。
読んでいて、訳特有の違和感がなかった。

ということで、まとめとして、
・ストーリーは(最初に挙げた二点を気にしない人にとっては)十分楽しめる作り
・トリックは秀逸
・訳は上手い
上記三点の理由から、期待が裏切られなくてほっと一安心。
キャラクターについては特に言及していないけれども、まあ詰まるところ、特に言及する必要がないということ。
興味のある人は是非、ご一読を。

あ、最後に思ったこと。
帯の煽り文句の「ダ・ヴィンチは名画に何を隠したのか」
隠したのは館長じゃないですか?
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by clhaclha | 2006-04-06 23:18 | 読書感想・書評