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2006年度ノーベル賞

今年のノーベル賞の受賞者が出そろった。
といっても、実際に出そろっていたのは半月以上前で、文学賞の発表を見逃していたためにまだかまだかと待っていて、記事がこの時期までずれ込んでしまったのである。
文学賞で村上春樹受賞の期待が高まっていて随分と楽しみにしていたのだが、結果の方はご存じの通り、残念でした、ということに。

今年の受賞一覧は次の通り。

○物理学賞
 ジョン・マザー、ジョージ・スムート
 『宇宙マイクロ波背景放射の黒体放射との一致と非等方性の発見』
○化学賞
 ロジャー・コーンバーグ
 『真核生物における遺伝情報の転写の研究に対する貢献』
○医学・生理学賞
 アンドルー・ファイアー、クレイグ・メロー
 『RNA干渉の発見』
○平和賞
 グラミン銀行、ムハマド・ユヌス
 『貧困層を対象とした少額無担保融資など社会・経済の草の根活動』
○文学賞
 オルハン・パムク
 『故郷の町のメランコリックな魂の追求において、文化間の衝突および融合の新たなシンボルを発見したこと』
○経済学賞
 エドムンド・フェルプス
 『インフレと失業率の見通しに左右される賃金と物価のトレンドに関する研究』

物理学賞は小柴教授のことが頭にあったので、最近は実験実証的な受賞が多いのかと思って調べてみたら、小柴教授以来ずっと理論に関する受賞だった。
今年の受賞内容は、早い話がCOBE打ち上げの貢献である。
テーマ的には旬を逃しているような感じだが、ノーベル賞とはえてしてそういったものだ。
データや理論の正しさを検討する期間が必要なので、これに関しては数年のタイムラグは仕方あるまい。
化学賞と医学・生理学賞は分野的にあまり違いがないのではないかと、素人としては考えてしまう。
説明を読んでみて、何となく分かったような感じ。
文学賞は、作品を読んでいないので受賞理由を聞いても「へぇ」としか答えようがない。
まあ、村上春樹が受賞したとしても、彼の作品は読んだことがないので、同じく「へぇ」で終わってしまいそうだが。
でも代表作くらいは読む気になるかな。
海辺のカフカとか、ノルウェイの森とか。
平和賞と経済学賞に関しては、全然分からないのでコメントはパス。

2002年の物理学賞・化学賞のダブル受賞以来、今年も日本人受賞者は出ず。
2000年から三年連続で受賞していただけに、これだけ受賞者が出ないと思わず失望を禁じ得ない。
もっとも、それまでの経過を考えると、連続受賞の三年間が史上初の大快挙だったわけだが。
今年の科学分野の三賞はアメリカのほぼ独占状態。
日本にここまでの期待はしないが、それでも隔年受賞くらいは狙ってもらいたいものである。
まあ、教育・研究費削減とか言ってるようでは、それも無理かもしれないが。
by clhaclha | 2006-10-29 20:59 | 自然科学
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