『2006国際ミネラルアート&ジェム展』第三日

さて、クレームの件から。
結果からいえば、返品・返金で、実質的な損害は精神的な不快感と時間だけ。
会場に着いてまず、開催事務所の主催者を訪ねる。
持っていった標本を見せたのだが、自分では詳しく分からないので、鑑定できる人(堀ミネラロジーの堀氏:鉱物マニアの世界では有名な人)が戻ってくるまで会場を回りながら待っていて欲しいとのこと。
ついでに問題のブースを見て、昨日購入した所であることを確認する。
しばらく会場内で物色していると、電話が鳴ったので再度事務室へ。
主催者に「知っているでしょうけれど、こちらが『楽しい鉱物図鑑』で有名な堀先生です」と紹介されるが、知っているのは名前だけである。
早速、問題の標本を堀氏に見せると、水晶自体は天然の物を使っているが、そこから更に色の付いた結晶を成長させている、とのことである。
どうやら無色か白色の種水晶に、緑水晶を継ぎ足したようなものであるらしい。
一昨日に写真で示した丸い型は、結晶を成長させる際に固定するのに用いた棒状の固定器具の痕ではないかという。
説明を聞いていても取り敢えず矛盾は感じられなかったので、その説を採用という方向で返品・返金に決める。
で、問題のブースへ。
堀氏がその業者に事情を説明するのだが、業者は「そんなことはない、天然物だ、間違いない」の一点張り。
埒があかないので、もしこれが本物だったら主催者が責任を持って買い取る、ということで一応の決着を見る。
しかし問題なのが、その後の業者の態度。
金は返すが直接本人(私)には渡したくない、あなた(堀氏)が渡してくれなどと口走る始末。
結局堀氏がそれを断った(当たり前だが)ので、渋々こちらに手渡す。
何というかもう、呆れてものが言えない。
この件で、スリランカ人に対する評価は、一気に地の底まで墜ちてしまった。
彼にはもう、日本で商売をしてほしくないものである。
まあともかく、これで一件落着、堀氏にお礼を述べて、さて会場の本格的な物色である。

さて、ここまでに三十分以上を費やしてしまった。
しかし不幸中の幸いというべきか、13500円の資金が戻ってきたので、色々と買えるようになったのは事実。
俄然、買う気が出てきた。
まあ、無理して浪費する必要もないのも事実だが……。

一昨日、しのぶ石やら重晶石やらを置いていて、ちょっと気になっていたブースを眺めていると、店番の人に声を掛けられる。
「これ、二酸化マンガンですよ」
「ああ。しのぶ石ですね」
「しのぶ石を知ってるんですか? 石は好きですか?」
と、驚かれる。
いや別に驚くようなことでもないと思うのだが。
一昨日はしのぶ石が大量に置いてあって、うち二点ほど、芸術的なまでに風景画を彷彿とさせるものがあったので、少々気になっていたのである。
店番の人が宝石学を勉強しているだとか、今日は親の代わりに店番をしているのだとか、しばらく他愛のない話をしていると、安くするので買わないかと言われる。
しのぶ石はちょっと欲しいかな、と思っていたのだが、残念ながら先日目を付けていたものがことごとく売れている。
赤鉄鉱なども眺めて、思案すること三十分ほど。
店番の人にも放置されて、購入を決めたのは赤鉄鉱の大型標本である。
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4000円のものをちょっとだけ安くしてもらって、3700円で購入。
赤鉄鉱の状態が最も良好だったのでこれに決めた。
もう少し小型のものでも良かったのだが……。
底面と側面がカットされているのが玉に瑕。
しかし、結晶の断面が見られると思えば、まあいいかとも思う。
ちなみに重量は2㎏ほど。
鉄の塊だけあって重い。

次に購入したのがアクアマリン、5500円。
正直な話、購入した現在でも今一つ、納得がいっていない標本である。
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なんというか、全体的に貧相というかインパクトに欠けるというか、「これ!」というものがない。
もともと希少鉱物だとか、産地だとかに拘るタイプではなく、見た目で選んでいるので、どっしりとした存在感がなければ気に入らないのである。
これはまた後日、別の標本を買うことになるだろう。
まあ、そんなに悪い標本ではないのだが。

最後にネタ。
会場で発見した時、むちゃくちゃに怪しさを感じつつも、その怪しい存在感に負けて購入してしまった染め物。
2300円である。
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ブースではGreenStilbite(緑色束沸石)と説明を受けたのだが、この時点で天然でないことはほぼ確信。
しかし染め物との説明は一切無し。
家に帰って包装を解いてみると、かなりきつい染料の臭いが……。
標本の細かい部分をよくよく観察してみると、染め切れていない破断面などがちらほらと。
先日のものに比べると、三流もいいところである。
こういう業者は売ってしまえばそれまでと考えているのだろうが、客商売を続けるにあたって長期的に見た場合それがプラスになることはあり得ない。
いずれ客に見切りを付けられるだけである。
インド人のブースは母岩付きで産地直送という雰囲気が好きだったのだが、今回の件で一考の余地有りかもしれない。
そもそも怪しさ大爆発の一品だったので、これに関しては特にクレームは考えていない。

さて今回、思っていた以上に人工処理品が流通していることに気付く。
そもそも日本の業者(パワーストーンなどのいかがわしい業者は除く)は信用第一で商売をしているので、余程精巧なものが紛れていない限り、処理品を天然物として売ることはない。
というよりも、処理品にはすべてその旨の注意書きが掲出してある。
しかし、海外の業者(実際にはごく一部であるはずだ)はその時良ければすべて良し、という考えが滲み出ている。
とにかく目先の利益優先で、長期的な信用など考えてもいない。
その点、今回の主催者の対応は悪くはないものであったと思う。
少なくとも、最低限の責務は果たしている。
スリランカの業者に対して今後どのような対処をするのかは分からないが、しばらく様子を見てみたい。
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by clhaclha | 2006-10-02 03:35 |
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