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石探横町

昨日のブログにも書いた通り、東武の展示会で随分とがっかりさせられたので、元々行く予定のなかった有楽町国際フォーラムで開催中の、『石探横町』に行ってきた。
MFAのホームページによると、石探横町のコンセプトが「よりカジュアルなものを……」ということなので、正直なところあまり期待はせずに、せいぜい原石もいくつか置いてあって、それなりに楽しめれば――程度に考えていたのだが。
結論から言えば、小規模ながらもバカにできない品揃えで、春にやったMFA展をそのまま縮小したような感じの展示会。
個々のブースは狭いものの、良質な標本がちらほらと並んでいた。

さて、東武では狙い云々という以前の問題だったのだが、こちらではそれなりに狙えそうな予感。

①十字石……影も形も無し。
②水晶……おそらく最も多く展示されていたのだが、ぐっと来るものがなく見送り。
③葡萄石……いくつかあったが、美味しそうにないので却下。
④アクアマリン……そこそこ数があったのだが、これもぐっと来るものがなく見送り。

というわけで、一通り見て回って物色することに。
まず最初に目を惹かれたのが、円盤形の黄鉄鉱。
値段が貼られておらず、いくらか訊ねてみると4000円とのこと。
直径は10㎝弱程度で、形はほぼ円形、一部欠けたような部分あり。
ちょっと高いかな、と感じる。
ちなみに店主の話では、粘板岩中のウニ化石が置換されたものらしいのだが、粘板岩と片麻岩が共存しているとかいうようなことも言っており、なにやら内容が少々とんちんかんであった。
粘板岩は泥岩が弱い変成作用を受けて瓦状に剥がれやすくなった岩石であり、片麻岩は強度に変成作用を受けて完全に再結晶した岩石であり、見た目もできる場所も全然違う。
断層などによって接している場合もあるが、話を聞いている限りではそんな風ではなくて、どうやら両者のことをよく分かっていないらしい。
少々不安になる。
更にチャロ石に見える標本に、スギライトの札が掛かっていたり。
まあ、こちらは直接訊ねていないので、真偽の程ははっきりしないが。

次に目に付いたのは、インド・プーナ産のペンタゴナイトとカバンサイト。
これは現地に住んでいる日本人の夫婦が、近くの鉱山から拾ってきた石を並べているのだが、これが結構、面白いものが揃っている。
上に挙げたペンタゴナイトとカバンサイト、そして魚眼石。
一番目を惹かれたのは、シート状のカルサイト(?)か何かが晶洞様の空間を作って、そこに5~8㎜程度のカバンサイトがポツポツとくっついている標本。
一目見て欲しいと思ったのだが、価格が30000~50000円。
ちょっと手が出ない。
カバンサイトと魚眼石はそれなりに目を惹く標本で、価格が5000~20000円。
交渉次第でなんとか、といったところか。
しばらく話をして、とりあえず他を見て回ることに。

最後に目が止まったのは、春に蛍石を買った業者のブースで、握り拳大の藍銅鉱。
しかし価格を聞いて即断念。
しばらく話をしつつ、並べられているものを物色する。
カルサイトに覆われた輝安鉱、フラワーアメジストがちょっと欲しいかな、と思う。
輝安鉱はいくらか忘れたが、フラワーアメジストの方は8000円とのこと。
悪くはない価格。
ちょっと思案するも、いまいちインパクトに欠けると思い、控える。
余談だが、この業者と話をしていて知ったのだが、中国の輝安鉱の採れる鉱山が閉鎖になったとのこと。
全部が全部、閉鎖されたわけではないのだろうが、産出量が減るのは確実だろうから、今後価格が上昇する可能性がある。
輝安鉱は以前から欲しいもののリストに含まれているものだから、次回九月の新宿で優先して購入すべきか。
もっとも、即座に価格に反映されるとも思えないが、やはり同じものを買うのであれば、少しでも安く買いたいものである。

で、結局。
何を買ったかというと、インド・プーナ産の魚眼石である。
石探横町_f0096505_3254424.jpg

サイズは縦方向で15㎝程度の大型標本。
母岩は束弗石で、中央にある緑色のものが魚眼石。
GreenApophyllite(グリーンアポフィライト)といって、無色透明なものよりも希少価値。
店の前でかなり悩んで、長時間話し込んだ末に「安くしますよ」と言われて購入を決める。
10000円の値札が付いていたものを、7500円にまけてもらった。
ちなみにこの業者、全部の展示会を含めて今回が初めての出展らしく、これから色々なショーに参加していきたいとのこと。
次回は年末の池袋に参加するとのことなので、上述のカバンサイトが安くなっているようであれば狙いたい。

さて、次は九月の新宿である。
こちらの方は大規模なので、休みを取ってじっくりと回りたい。
by clhaclha | 2006-08-05 23:20 |
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